2010年7月27日火曜日

ディスク・ガイド  ジャズ・トランペット

 先日、四谷のいーぐるにて行われたディスク・ガイド ジャズ・トランペット発刊記念のレコード鑑賞会にいってきました。6人の筆者の選曲による17曲の再生でした。
 なかでは、ディジー・ガレスピーが圧巻でした。1945年6月22日の録音ということで,その当時の日本の状況に話しがおよびました。帰ってしらべますと3月10日に東京をはじめとする、大規模な焼夷弾をつかった低高度夜間都市無差別爆撃がはじまり、名古屋、大阪、神戸と続きます。4月には沖縄上陸作戦がはじまっています。もう降伏すべきでした。日本の空はB29フリーパスです。7月25日にはポツダムで、原爆投下命令が発せられます。
 映画”Die Brücke„では、敗戦色濃いドイツで、少年兵たちの処遇にこまった指揮官が古参兵に「おまえは前の大戦の経験者だから負け方を知ってるな」というふうな言いかたで彼らを託しました。しかしその古参兵とはぐれてしまった少年たちの運命は・・・日本全体がこの少年兵と同じ運命だったわけです。

シンコーミュージックエンターティメント刊
1冊定価(本体 2,000円+税)
右の2冊が、既刊のジャズ・ピアノとジャズ・サックスです。この3冊をみますと,私ははっきりとサックス好きなことが分かりました。ローランド・カークの「ボランティアード スレバリー」なんかは大好きで、いつもジャズ喫茶でリクエストしていました。盲目のローランド・カークが都市郊外のフリーウェイをキャデラックのオープンカーでかっ飛ばす様を想像してしまいます。ところがこれをリクエストすると不思議と客がかえってしまうのです、ローランド・カークのイロモノみたいな雰囲気のせいでしょう。ジャズ喫茶の客の回転に貢献しておりました。その点、この本のシリーズはメイシオ・パーカーやキング・カーチスのようなヒトも載せてあるところが今までのジャズのガイドブックと一味ちがうところです。
 しかしこれらの本をみて、ジャズ喫茶がなくなりジャズのあたらしい情報から遠ざかった四半世紀が、まるで私のなかで抜け落ちてるのに気がつきました。レコードプレーヤーはあるのですが物が上に積み重なった状態で、CDで同じ音源を買い直すのもばかばかしいですし、ようするにジャズの曲の長さについていけなくなったということでしょう。私にとってジャズはBGMで聞く音楽ではありませんから。
 ジャズ喫茶がなくなってからは、前から好きだったソウルや、いとこの影響でミシシッピー デルタ ブルースを聴いていました。これらもBGMではなくけっこう本気で聞きます。古い録音の物ばかり聞いていたのです。そんななかで突然パフュームをテレビで見てしまったのですが、詳しいことはまるで分からず。DVDプレーヤーやパソコンをケイタイを持っていなかったからです。
 「マカロニ」なんかは、ほとんどスライ・ストーンです。「イミテーションワールド」「カウンターアトラクション」などはバート・バカラックを彷彿とさせます。なぜこんな話しをしだしたかというと、このガイドブックの筆者の一人の原田和典さんも執筆しているMUSIC MAGAZINEの(Perfume 現象)だけが唯一のPerfume に関する情報だったからです。
MUSIC MAGAZINE
2008年10月号