2021年11月30日火曜日

Nikon COOLPIX P330 にアナモルフィックレンズをつける

 前回は PENTAX Q10 に16mmシネ用のアナモルフィックレンズ (Kowa Prominar Anamorphic-16) をつけて撮影しましたが、Nikon P330 のレンズの前にアナモルフィックレンズをかざしたところ35mm換算で85mmからケラれなく使えることがわかりました。Q10 の1/2.3型に対しひとまわり大きい1/1.7型のセンサーなので意外でした。
P330には沈胴時にレンズが収まる動かない9mm厚のアルミの筒がありますのでここを利用してアナモルフィックレンズ
につなげたいと思います。アルミといっても樹脂の上に両面テープで付いているだけなので注意が必要ですが。
PENTAX Q10 の 06レンズ同様、P330はピント合わせに鏡胴の長さが変わりませんから、85mm (35mm換算)時にレンズが伸長したときにアナモルフィックレンズと接するように取り付けたいとおもいます。



COOLPIX P330 からレンズを覆うようにアナモルフィックレンズに連結するためのチューブ。白樫を使いましたが干割れがあったようで、ドリルで刳ったところ割れました。接着して次の工程へ。

このような形。


こちらがカメラ側。


スリットを入れる。これを金輪で締めるつもり。
内側に黒塗装。


金輪づくりのロウ付け作業。


見ればお分かりとおもいます。カメラ側とアナモルフィックレンズ側を締め付ける金輪です。そして、その漆焼付け塗装。






ネジはこの後、六角穴つきボルトに交換しました。

かなり実用に足る大きさと形になったと思います。カメラをONにして、木の筒の中でP330のレンズが望遠側の85mmまで伸長して、アナモルフィックレンズの後玉に接するわけです。前玉が動かないで合焦しますのでオートフォーカスも問題なく行えます。アナモルフィックレンズにもヘリコイドがあり距離目盛りが符ってありますからこちらは目測で。これをよく忘れがちです。厳密には距離計をいっしょに持ち歩くべきでしょうかね。スマホのアプリで距離計ってありましたっけか。


Nikon P330 はPENTAX Q10 とおなじ 3000 X 4000 pixel の画像が得られますので、前回にやった正方形を画面に入れて撮影したものを伸ばして得られた値 3000 X 7654 pixel でフォトショップで作った「アクション」を使って自動処理します。絞り値の関係か四隅がケラれる場合がありますので、その時は長手方向を少しトリミングすることにしてます。



























2021年11月29日月曜日

PENTAX Q10 にアナモルフィックレンズをつける

 以前に35mmフィルム用のアナモルフィックレンズをAPS-Cサイズのデジタルカメラに装着して撮影することをしたんですが、いかんせん大型化してしまい、もっぱら16mmシネカメラ用のアナモルフィックレンズに関心がいってしまいました。みなさん考えることは一緒のようで、なかなか安価に手に入りません。35mm用のアナモルフィックレンズと同等かそれ以上の価格です。
ようやく中古価格相場的なものが知れたころ、Kowa Prominar Anamorphic-16 なるレンズを「カビ跡あり」了承のうえで購入
しました。

理屈からかんがえると16mmシネのイメージサークルをカバーするデジカメのセンサーは
1/2.3型でありますので、PENTAX Q10を用意しました。実際、手でカメラの前にアナモルフィックレンズをかざすと35mmシネ用のときとおなじに、カメラ側のレンズが105mm (写真カメラの35mmフルサイズ換算) 以上でないと四隅がケラれてしまいます。PENTAX Q10の場合ですと06ズームレンズの20mmの箇所です。



PENTAXの接写装置のベローズが無くなってしまっているものがありましたので、それをベンチに作ってみました。

Kowa Prominar Anamorphic-16 の外径が39mmで、M42のボディキャップをぎりぎり削ってペンタックスのベローズIIのねじこむ。Kowa Prominar Anamorphic-16の付属のフランジのネジの切り上げが短く届かないので木のリングを介して締め込むことにした。

カメラの雲台づくり。止めネジを延長した。


ベローズIIにとりつけ。




PENTAX Q10 の 06レンズは合焦に前玉の位置は変化しないので、できるだけアナモルフィックレンズに近づけて固定。オートフォーカスが問題なく使えます。ただ、アナモルフィックレンズのヘリコイドの距離目盛りを目測で合わせます。


16mmシネで使われていたときには撮影と上映にコンバージョンレンズである同じアナモルフィックレンズをつければ問題ないのですが、実際のところどれだけ左右に圧縮されるのか分かりません。
正方形を撮影してみました。

Q10に写った正方形の画像です。これをパソコン上で正方形になるように伸ばしますと。
3000 X 4000 pixel が 3000 X 7654 pixel に伸びたところで正方形になりました。1.9倍近いです。
しばらくこの値で伸ばしていきましょう。フォトショップのアクションにしてしまえば、ファイルにいれて「自動処理」から「バッジ」で一括で処理できますね。








フジGS645のグリップがなぜかありましたのでつけてみました。







御茶ノ水の2枚はカメラの光軸がずれたか、ケラれましたので、長手を 7050 pixel にトリミングしました。



さて、ここで手持ちの Nikon COOLPIX P330 にアナモルフィックレンズを手でかざしたところ、センサーが Q10 の1/2.3型より大きい1/1.7型にもかかわらず、35mm換算85mmのところでケラれず写るのです。この光学的な理屈はわかりません。
すぐに P330 にアナモルフィックレンズがつくように工作してみました。次回にお伝えします。









2021年9月20日月曜日

第49回齣展を終えました。

第49回齣展を終えました。 今回、どなたにも案内状を出しませんでしたが、ウイルス渦中来ていただいた方はありがとうございました。














Mさんが撮ったベティーさ





2021年9月8日水曜日

第49回 齣展 に出品します。



第49回 齣展

2021年 9月9日(木) 〜 9月17日(金)
9:30 〜 17:30 (入場受付は17:00まで)
初日のみ14:00開場 最終日(12:00まで入場受付 13:00終了)
東京都美術館(2階 第2展示室) 上野公園内





2021年7月30日金曜日

つんぼ号を研ぐ

新潟県東頸城郡の現在上越市に吸収された地域にある父の郷里で、一家に一丁はあるつんぼ号の鉈ですが、特徴としては片刃で横方向に裏スキがあり、先端はタガネで切りっぱなし、背側に肉抜きの打痕が一列か二列にならびます。おもて側はほぼ火造りで、ざっとハスにヤスリがけがあるといったかんじです。無銘であるか、あるいは◯にイ、二、スなどの刻印(販路をしめすのか)、後年には「つんぼ」の刻印があるものもあります。
先日私が東頸城に行った際、親戚から研ぎを頼まれ持って帰ってきました。

うちにも一丁、今はない東頸城の家から持ってきたものがあるのですが、関東の両刃の鉈に慣れてしまっているせいか彫刻作品に使ったことはありません。ちょっとどういうふうに研いでいいか分からないところがあります。ウラを平らな板に乗せますと、まるっきりチャンチキでとても鉋のようにウラを押すことができないのです。

そこで、高田のつんぼ号のお店で買ってきた菜切包丁を思い出しました。'90年代でしょうか、もう生産はやめているというはなしでしたので、どこかのOEMものかと思ってたんですが、どうもつんぼ号で作ったもののような気がしてきました。これが鉈とおなじ形式の片刃なのです。片刃であれば両刃のような鋼を地金でサンドイッチにしたものよりも、おもいっきり焼きが入れられますから切れるわけですが。

菜切りなので、これは両刃のように研ぐのではないかと思って。


これは親戚から研ぎを頼まれて持って帰った鉈。
幅が残ってますが、古めのかんじがします。山七のタガネ銘は販路の金物店から頼まれたのでしょうか。使っていた家の屋号ではありません。



実際問題として、ウラは手元を浮かせて。
これしかやりようがありません。刃返りを軽く取り去る程度に。



サビと白ペンキを掻き取りました。まだまだ使えます。親戚宅ではこれを風呂炊きの薪づくりに使ってます。現役です。


かんたんにサヤを作ってあげました。




2021年7月21日水曜日

高田世界館に行ってきました


梅雨明けした高田、高田世界館に行ってきました。


ひょっとしたら祖父の代から、この映画館を利用してきたかと思うと感慨深いです。



10時からの上映は「ブータン 山の教室」。泣けたね。


休憩時は換気のためか窓を開けて空気の入れ替え。


格天井。


入り口に展示してあったフィルム映写機。
シネマスコープのアナモルフィックレンズがついてますね。


高田は「雁木のまち再生」活動があります。私は「高田」と言ってますが正確には上越市です、父の郷里も今は上越市に吸収されてます。なにかと用事があり、行った際にはまた高田世界館に寄りたいと思います。



親戚の家から研ぎを頼まれて持ち帰った、高田の鍛冶屋:つんぼ号の鉈。






2021年6月18日金曜日

第10回 平和美術展

家に残っているスライドを出してきて修復するきっかけがあったんですが、その後別に選別された箱がみつかり、せっかくですので修復作業の続きをやりました。建て替える前の東京都美術館の大彫刻室が写ってたのでお見せします。

オリンパスペンSで撮られたハーフサイズのスライド



第10回平和美術展とあります。平和美術展は初回が1952年ですから、これは1961年だと思います。翌年の第8回世界青年学生平和友好祭 ヘルシンキ大会(1962年)への募金箱があるのでつじつまが合います。


この階段と天窓は記憶にあります。


Nie! とドイツ語なので、この壁面はドイツからの招待作家でしょうか。


ブルガリアからの招待作家のようですが、このキャプションの字はざんねんながら読めません。


この鉄製の台座は今でも東京都美術館で使われてます。


佐藤忠良 1961年作の「仔羊」ですが「農婦」という題です。


岩野勇三 作ですが題名が読めません「若い女」でしょうか。
「岩野勇三作品集」講談社のカタログレゾネにある「むすめ」1961年作 木彫 准等身 (消失)だとおもわれます。






デュープした状態のポジフィルムです。このようにカビとビネガーシンドロームにやられてました。


なるべく残った粒子を活かすべく、色域選択をもちいてマゼンタのみになってしまった色を寒色に振ることを少しずつ繰り返しました。


最後にゴミやカビ跡をスポッティングした様子です。
このコマはマウントから出さなかったので、アルコールで拭いたゴミが枠周辺に集まっちゃってますね。