2019年1月24日木曜日

貼りこマスクの製作



試写です。この後、一波乱あったのちに改良されてます。

被着できる貼りこの面を作ったのはこれが初めてではなく、
チャーリー・パットン像から直接貼りこを取り、かぶってみたことがあります。




このときの経験から、もう少し計画的にやってみました。
製作過程を載せてみます。




まず、木彫像から石膏型取りして貼りこ専用の原型を作りました。
彩色した木彫を損なわないように、錫箔を貼る。

大きく前面と後面にわけ、抜け勾配ではずれるように型をわっていく。


できあがった石膏雌型。


雌型に石膏を流し込んで出来た貼りこ用の原型。
水が染み込まない方が都合が良いので塗料を塗った。


こうぞ紙を貼る。まずは水だけで、2層目からは正麩糊で。


前面を貼り終えたところ。これから後面を貼るが、合わせ目には糊を使わないようにする。


原型から剥がす前にアクリル塗料で下地を塗っておく。
アクリル塗料は乾けば耐水性になるので、型から外した後の変形を少なくできる。


型から剥がしているところ。合わせ目に符丁をふっておくのを忘れたが彩色してあったので助かった。前後を接合するときに彩色の形で合わせ目が分かった。


前後を正麩糊で接着。開かないようにキャリパスで抑えて乾燥させているところ。


さらにアクリル絵の具で、続けて塗っては研ぎの繰り返し。


そして、髪の毛を貼っているところ。この方法は今は秘密にしておこう。


まつ毛はいつものとおりつけまつ毛を加工。
こういうやり方です。


後ろはかぶった後、ヒモで締めます。フルフェイスです。
チャーリー・パットンは少し大きさに余裕あったんですが、
これは原型が等身像ですので。かなりギリギリです。





そして、ご覧の通りの試写を行ったのですが、のちのちのために、もう少し強度が欲しいと思い、厚い貼りこ紙を裏から裏から貼ったら途端に表面が変形してシワがよってしまいました。


裏から厚い貼りこ紙を貼った。これが変形のもと。



変形した箇所を修復。おかげで形を一からやり直すことになってしまったので、修復前より確実に良くなったと思う。
最初からアクリル系のもので紙を貼っていけばこんなことにはならないのですが、こうぞ紙が正麩糊を含んで一体化するかんじが捨てがたいのです。