道具の使われていた場所と鋸のアゴの形からいって会津系統の鋸鍛冶と推測し、堤 章著「会津の鋸鍛冶」を見てみました。中や重久と読めましたが判然としません。そうだとしてもこの鍛冶屋の詳細は分かりません。状態もよく使用を目的として修理するに値すると判断しました。
橦木型にすがっていた柄もよくできていたのですが、これはこれで取って置き、柄は新調することにしました。
カサブタになった錆のかたまりを尖った鎚で粉砕する。その後、ビブラペン(刃先を丸くつぶしたもの)でさらにサビのかたまりをつぶしていく。
ゼンマイのような物でサビをこそいでいく。私が使っているのは石膏細工用のヘラ。研磨材の類はまったく使いません。
錆落とし終了です。タチの悪いサビではありませんでした。
裏面に「千」の字がありました。玉鋼の等級である「千草」を使用したということでしょう。
歯先の「ならし」、歯の通り縦挽きなので直線に近い中低。
そして、歯底を揃えるためダーマトで白く線を引いた。
そして、歯底を揃えるためダーマトで白く線を引いた。
内目をすってから。外目をする。ならしのヤスリが消えるまで。
自分でできるのはここまで、あとは三茶のノボさんに板の歪みとアサリのチェックを頼んでみます。
自分でできるのはここまで、あとは三茶のノボさんに板の歪みと
その後、三茶のノボさんが板の歪みとりをやってくれました。
柄をこしらえます。
旋盤で両センターにして3mmのドリルを貫通させた後、一分のノミで穴あけ。
完成、いままでのガガリの橦木の柄の中で一番短く、太くしてみました。
参考までに、以前に桐だと手のあたりがいいだろうということで、
桐の柄にノコが入る穴の補強にケヤキの楔を使いました。