2016年11月10日木曜日

脇取りの刃を切り出し小刀に

脇取り鉋の刃 (千代鶴是秀 作) を切り出し小刀にしたい、という相談を受けて、中や作次郎 作のガガリをご褒美としていただきました。
ま、それは置いときまして。

脇取りの刃を傷めずに着脱式にして使いたいとのことです。
脇取りの刃は彫刻刀と厚みが逆のテーパーですから工夫が必要です。
「木工具・使用法」より複写
よっぽどの高級な普請で現在、脇取り鉋脇取りを使うことがなどあるのか、ないのか知りません。ルーターに取って代わられた道具ですよね。切り出しとして使いたいという気持ちは分かります。


割り矧ぎに適した尾州ヒノキを選んで彫り込んでます。


構造は簡単。刃が出きった位置にテーパー・キーを入れることにしました。


こんなかんじですね。おしりの方から刃がヌルっと出てきます。


出来上がりです。

できた柄を土田さんに褒めてもらう。こんなことを数十年くり返してきた。これは土田さんからの依頼じゃありませんが。




で、作次郎のガガリですが、曲げてあるコミを延ばすことにしました。



かじやでこじった後、トーチで炙って延ばしてます。
鋸身は濡れタオルで養生。


さらに常温で金敷上でまっすぐに。


無事に直りました。


「風俗画報」より車大工
私と持ち方が違いますが、この使い方が好きなので橦木の柄を挿げたいと思います。



2016年11月4日金曜日

アナモルフィック・レンズをつけたAPS-Cデジタルカメラでスチル撮影


以前に露天の古物市で買いのがしたアナモルフィック・レンズを最近になって手に入れました。Kowa Prominar Anamorphic です。35mm映画用のもので、木箱に入った2本組で売られてるのも見ました。上映用で映写機の切り換えに2本必要だったのでしょう。高価だったと思います。フィルム上映の機会が減り働き場を失ったのでしょうか。
アナモルフィック・レンズは以前から興味があり古本屋で買った「映画撮影」で大まかな知識を得ました。表紙にアナモルフィック・レンズでの撮影ネガが載ってます。

左が通常のスタンダード・サイズの映画の撮影ネガ「りんご園の少女」。右の「男はつらいよ(夜霧にむせぶ寅次郎)」を横に伸ばして反転してみます。」
左側が少しケラレているのは上映フィルムではサウンド・トラックが入るのでよいのでしょうね。




これが手にいれた Kowa Prominar Anamorphic レンズです。
鏡胴の黒い部分は紙を一枚介してちょうど収まった82mm径のレンズ・フードで、これでカメラ側のレンズと連結させたが簡単にとれなくなってしまいました。アナモルフィック・レンズはコンバーション・レンズで撮影用、上映用は同一です。



カメラ側は50mmレンズではケラレ、手持ちのレンズでは Super-Takumar 85mm f1.9 が使えました。


試写に出かけます。



撮影したものを1:2.35の矩形に伸ばす。簡単な作業。










85mmレンズのAPS-C撮影ですから105mmを超える望遠になるはずですが、画角としては標準レンズ感覚に近く感じました。標準レンズで撮って上下をカットすればイイじゃないかと言われればそれまでですが。


試写でカメラ側のレンズのヘリコイドにかなりの負担がかかることがわかりました。レンズのプラケットが必要です。自作することにします。






二度目の撮影、駒沢公園に出かけます。

撮影前に建物を基準にアナモルフィック・レンズを回転させて垂直を出してるところ。


申し遅れましたが、私のカメラは PENTAX K-3 。PENTAX はフルサイズ機が出ましたが、この遊びはAPS-Cならではですね。












歪曲も感じられないとおもいます。左右に伸ばしたことによる画像の劣化もそれほどでもない気がします。
感覚からいってもうちょっと伸ばしてもよいと感じ、駒沢公園での撮影は1:2.6ほどにしました。音声トラックで削られるわけですから、そのぶん撮影ネガでは左右に圧縮されてたかもしれません。