2010年10月26日火曜日

複写用バキューム定盤

 20年前、ある彫刻家の作品集を作るために、他人に頼むことが出来ず、ひとりで写真撮影をしていました。その時に、折れたり、くせのついたデッサンを撮影するために掃除機を利用したバキューム定盤を作りました。
 9mm厚のシナベニヤで箱を作り、2cm間隔で3mmの穴を開けました。かなり大きい箱なので,中程に束を立てました。
 簡単な仕掛けです。あとは側面に掃除機のホースのパイプの径に合った穴をあけ
そこにホースをつっこみます。
 大きいデッサンも撮影したので、箱はそれに合わせました。小さいものを撮影するときは、残りの穴を紙でふさいで吸引力が落ちるのを防ぎます。薄い紙は透けて箱の穴が写ってしまうので、そういう場合は、デッサンと箱の間に寒冷紗をはさみます。


これがあるのとないのとでは、複写精度がかなり違うと思います。

2010年10月8日金曜日

ネアンデルタール

 自分の群れを守るため、相手を攻撃する、逃げる。コレは動物の本能です。だが、相手がライオンとかである場合なので、同種の動物には適応されません。
 それで人間ですが、相手が同種の人間であってもライオンや鬼とみることが出来ます。自分の利益、女(男)、子供を守るため同種なのに相手をライオンにみてしまうのです。
 しかし、これは人間の本能ではありません、農耕が始まってから、すなわち、人類300万年の歴史のなかの、ケツのほうの1万年前から始まったにすぎません。狩猟採集経済の段階では戦争はありません。現在のイヌイットやピグミーをみても分かります。
 新人がヨーロッパに進出し、そこにはネアンデルタール人とよばれる別種の人類がいたわけですが、新人が序々にネアンデルタール人をとりこみ、数が劣勢であったほうの遺伝子が残らなかったようです。すでに子供が一代交配種になるほど、かけはなれていた可能性があります。
 コレが事実だとすると、人間はちょっと毛色の違う、もはや生物学的に別種のものも取り込む力があるのです。今後の発掘成果が期待されます。

2010年10月5日火曜日

Gene Hanner

 先日の夕方、友人の出品している伝統工芸展を日本橋でみて、その足で湯島にあるホステス用の衣料品屋へ作品用の頭髪を買いにまわりました。この店は私のことを覚えていてくれて、何に使うか知っているので、めんどうがありません。安くしてくれます。頭髪といっても無論人造で、かつらをバラして使います。
 不忍池に出ると骨董市がたっていました。あたりは暗く裸電球の光をたよりに何時ものように大工道具などを物色していました。すると、ある店で写真が目につき、値段次第で買おうかなと考えました。六切りの写真が2枚あり1枚は戦前のドイツの雑誌”みみずく”にあるような神話的な題材のダンスをしている女性数人の写真で。もう1枚はダンサーのポートレートでGene Hannerと署名がネガから焼きつけられてます。印画紙の粒状から大型カメラによる撮影でしょう。ただ複写が入っているかもしれません。ポートレートの方を買いました、額がついていたので2000円でした。
 店の主人によると、とあるバレー教室の先生がドイツに留学していた際に入手したもので、その方は80歳になる女性だそうです。ということは、ドイツでリアルタイムで入手したものなら、ベルリン 20年代のものではないかも知れません。あるいは、留学時に世話になった先生の若かりし頃の写真かも。
 とにかく、不忍池の夜店でベルリン20年代の写真を買うなんて(そのときは、そう信じていた。)むかしの東京人になったようでウキウキして帰りました。村山知義、藤牧義夫なんて名前があたまをよぎりました。

 下の写真は、だいぶまえに古本屋で500円で買った同じく六切りの写真です。アメリカの商業用の写真原稿でしょう。